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株主のみなさまへ

坂本幸雄(写真)

 現在の当社を取り巻く厳しい事業環境につきましては、皆様に大変ご心配をおかけしております。
 10月14日に発表いたしました資金調達の背景と目的について、私からご説明させていただく必要があると考えましたので、以下に私の考え方を述べさせていただきます。

 まず、現在起きている金融危機が正常に戻るには、少し時間がかかると思っています。銀行への公的資金の注入等が世界中で行われていますが、問題の本質が是正されるには、短期間での解決は難しいのではないかと考えております。

 このような時期だからこそ、当社は手元資金を十分に持ち、どのような状況においても今後の投資に対応できる体制をとることが必要だと考え、この度、1,100億円の長期コミットメントラインの引き出しと、500億円の転換価額修正条項付新株予約権付社債の発行を決議いたしました。具体的には、回路線幅の微細化投資を実行することで製品あたりのコストを下げ、来るべき回復局面において、利益を極大化させるためであります。

 当社は08年9月末時点で800億円弱の現預金残高を見込んでおり、手元流動性は十分に確保されております。さらに、今回の1,600億円の調達資金が上乗せされることで合計2,400億円弱の資金を得ることとなります。現在のDRAM業界では、この規模のキャッシュを持ち事業運営をできる競合会社は少なく、これにより当社の業界における優位性を確実にし、仮にこのDRAM不況が長引いた場合においてもそれに十分耐え、勝ち残る力を持つことができると考えております。

 なお、今回の転換価額修正条項付新株予約権付社債については、長期コミットメントラインの引き出しによる銀行借入れに加え、エクイティ性の資金調達による更なる財務基盤の強化をすることが望ましいと考え、発行を決定いたしました。足下の不透明な金融環境下では、市場環境や資本政策の変化に対する柔軟性を兼ね備えた本調達手法が望ましいと判断した次第です。

 当社はこの第2四半期で250億円弱の営業赤字を計上する見通しですが、これはDRAM業界の中では相対的に少ない損失金額だと考えています。しかし、赤字はあくまでも赤字です。これは早急に改善していかなければなりません。株主の皆様にはご心配をおかけしておりますが、エルピーダがこの厳しい事業環境を乗り越えることによって株主価値を極大化させることが、株主の皆様のご期待に応えていくことだと思っております。当社は今後も全社一丸となって、より一層努力していく所存ですので、何卒宜しくお願い致します。

 なお、今回の転換価額修正条項付新株予約権付社債に関してよくいただくご質問についてはこちらをご覧ください

2008年10月19日
エルピーダメモリ株式会社
代表取締役社長兼CEO坂本幸雄


転換価額修正条項付新株予約権付社債に関してよくいただくご質問

 これは、一般的に言われるMSCBではないのか?
MSCBとは、定期的(6ヶ月に1回超)に転換価額が修正されるCBの呼称であります。MSCBという手法自体に問題があるわけではないと考えておりますが、過去、MSCBの事例には必ずしも希薄化や転換に配慮されていないものもあったと言われております。しかし、今回当社発行のCBは、定期的に転換価額が修正される点ではMSCBと同様ですが、一般的なMSCBと比較して転換のスピードや希薄化に対して十分に配慮をした設計となっております。(具体的には、他のQAをご参照ください。)
 MSCBは財務的に苦しい企業が選択する調達手法と聞いているが?
足元の経済環境ならびに事業環境は厳しい状況ではありますが、当社の財務内容は08年9月末時点で800億円弱の現預金残高を見込んでおり、手元流動性は十分に確保されているため、こうした環境下においても十分に耐えうるものであると考えております。また、今回の資金調達の目的は、2008年10月14日発表のプレスリリースに詳細を述べさせていただいておりますが、目先の運転資金への充当を目的としたものではなく、同日発表した長期コミットメントライン(取引金融機関45社と契約した協調融資枠)1,100億円の引き出しと合わせて総額1,600億円の長期資金を確保することで今来期の設備投資計画の実行を磐石にするためのものであります。
このような厳しい環境下においても、取引金融機関のご協力を受けられることは、当社が一定の評価を得ていることの証左であると考えております。
 なぜ今の環境下で調達したのか?
マーケット環境が良好な時期にファイナンスを行うことが、ベストの選択であることは認識しておりますが、見通しの立ちづらい現環境下では、いつ、その状態が来るのか判断することは極めて困難であると考えております。
他方、当社の企業価値を高めていくためには、現時点においてファイナンスを行い、DRAM業界での優位性を確保し、将来の成長を見越した投資をしておくことが重要と考えております。
従いまして、不安定なマーケット環境ではありますが、今後の成長戦略及び成長に向けた投資機会を考慮して、当社はこのタイミングでエクイティ・ファイナンスを行うことにいたしました。
 なぜMSCBを選択したのか?
本CBを選択した主たる理由は、割当先が需給や株価推移を見ながら転換を行い、取得した株式を時間分散して投資家や市場に売却していくことにより、株価への影響を軽減しながら円滑に株主資本を増強することが可能な調達手法であるということです。一度に大量の株式を発行することによる株価インパクトを避け、時間をかけながら徐々に資本増強を行うことができるため、今の厳しい環境下では本調達手法が最適であると判断いたしました。
 MSCBの発行は株価の下落に繋がるとの批判があるが?
そもそもMSCBは、割当先が需給や株価推移を見ながら適時適切に転換を行い、取得した株式を時間分散して投資家や市場に売却していくことにより、株価への影響を軽減しながら円滑に株主資本を増強するためのスキームです。そのため、MSCBの仕組みそのものに問題があるとは考えておりません。
本CBにおいては、割当先である「Nomura Asia Limited」もしくは野村證券(以下「野村グループ」。)は、当社の株価の推移に注意しながら、CBを転換して取得した株式を時間分散しながら投資家や株式市場に売却するものと認識しております。
 割当先は故意に株価を下げるような行為を行わないのか?
今回の資金調達において、野村グループとは、株価を故意に下げることを目的とした空売り、およびそれを目的とした借株を行わない趣旨につき双方で認識を共有しております。
 本CBが割当先より第三者に転売され、株価の下落リスクが高まることはないのか?
「Nomura Asia Limited」が野村證券以外の第三者に本CBを譲渡する場合には、原則、当社の承諾が必要であり、当社は本CBの譲渡を承諾する予定はありません。したがって、他の投資家が本CBに関連して、当社株式を売却することはないと考えられます。
 割当先は転換した株式を全て市場を介して売却していくのか?
野村グループは、国内外に厚い投資家基盤を持つ顧客ネットワークを活かして、転換した株式を長期的保有が見込まれる優良な投資家へ主に相対で、かつ時間分散して売却していくと当社は認識しております。また、株式市場で売却する場合においても、株価に留意した売却を行うことにより、株価の下落インパクトの低減に努めていくことが野村グループにとってもメリットであると認識しております。
 割当先は自己の利益のみを追求して株価に影響のある投資行動を行うのではないか?
野村グループは本ファイナンスの目的を十分理解していることに加え、野村證券は日本の株式市場をマザーマーケットとする日本の企業であり、そのマザーマーケットにおいて自らの評価をおとしめるような投資行動をとることは彼らにとってもメリットがないと当社は考えております。なお、当社は野村グループより、投資家保護の目的で策定された日本証券業協会のガイドラインにしたがった投資行動をとる旨の報告を受けております。
 株価が下がることにより、どんどん希薄化が進むのではないか?
下限転換価額は当初転換価額(1,017円)の50%の水準(509円)に設定されており、それを下回る水準で新株が発行されることはありません(仮に下限転換価額で全て転換が発生した場合の、1株当たりの最大希薄化率は43.1%であります)。
一方で、本CBは、株価が上昇すれば、上限転換価額(2,034円)までの範囲で転換価額も上方修正されるため、株価上昇局面においては希薄化抑制の効果も期待されます。また、株価が大幅に下落するなどして資本政策の変更が必要になったと判断した場合などには、当社の選択により、繰上償還請求をいつでも行う柔軟性が担保されております。
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